HF帯での無線通信は、コンデションによって大きく左右されます。 良く聞こえる地域があったり、まったく聞こえなかったりすることはご存知の通りです。 折角移動運用に出かけてもその時のコンデションによっては何も聞こえず、QSOができないこともあります。
従ってQSOが出来たということは、いろいろな条件が整ってやっと相手とコンタクトができたと言うことで、とても貴重なことですから、私としては一つ一つのQSOを大切にしたいと思っています。
少し前の事ですが、茨城県立青年の家で毎年開催されるMLウェーブクラブ筑波アイボール大会会場と当時私が赴任していた北京との間でアマチュア無線通信の実験をする計画を立てました。
例年、筑波の会場には、HF機、VU機等を設置して移動運用を行っていますから、あとは当日のコンデション次第のはずなのですが、まだまだ難関があります。 北京に限らず中国国内では、外国人が無線機を持ち込んで自由に電波を出すことは出来ません。
まず、個人としての運用許可証を中国無線運動協会(CRSA)からもらうことと、運用する設備は一般的には、地元のクラブ局にお願いしてそこの設備を使わせてもらうことになります。 したがって、筑波アイボール大会の日の所定の時刻に、うまくクラブ局の設備を使わせてもらえるかどうかは相手次第。さらに、当日、クラブ局の管理責任者に来てもらう必要があります。
筑波アイボール大会開催日が確定したあと、当時のBY1SK管理責任者(孫老師)にお話しし、運用許可のお願いをしたところ、心よく引き受けて頂き、休み返上で対応して頂くことになりました。
これで、北京側も事前準備は完了、あとは当日の設備とコンデション次第!!です。 さてアイボール当日、朝、宿舎からバスを乗り継いでBY1SKのある北京市宣武区の青少年科学技術館に向かいます。
もちろんタクシーでも良いのですが、時間があると時は勉強も兼ねて市内の公共バスを利用することにしていました。 宿舎を出発しておよそ40分後、科学技術館に着くとすぐ孫老師が待っていてくれました。 挨拶をそこそこに早速無線機に向かい、21MをウォッチしてみるとJA各局の入感があり、コンデションもまぁまぁでしたのでひとまず安心しました。
しかし無線機のダイヤルを回してもMLウェーブクラブメンバーの声は聞こえないので、ひとます空き周波数を探してCQを出すことにしました。(パイルになれば新治郡の各移動局でもわかるはず) コンデションも良くなって、すぐさまドックパイルになる、、 コールが重なって一文字も聞き取れないときがあり大変だが、嬉しい悲鳴、
パイルは続くが、新治郡のMLウェーブクラブメンバーからのコールは聞こえない。 しばらくしても聞こえないので、 新治郡各局の準備状況を確認するため、現地から携帯で連絡をとる。 なにやら、マイクを忘れたらしく慌てていた様子。 しかし其処はOM、 急遽、他の機器のマイクをわに口クリップで接続してON AIRすることにしたらしい。(残念ながら、北京からは見えない)
そのうち、パイルの中で聞きなれたコールサインがかすかに聞こえた。だいぶ弱い信号なので、1エリアはうまく開けていないのかも知れないと思いつつ、コールバックした。 新治郡のメンバーにも届いたようで、/新治郡が返ってきた。 実験が成功した瞬間である。
その後は、順番にメンバー各局とコンタクトし、若干のお話をさせて頂く。 だだ、JA各局のパイルの中なので、簡単な挨拶程度で無駄な話はできない。 メンバーの皆さんとQSOが終わったあと、再びJAのパイルアップの中に、、、
夕方になってもまだコールは続いていたが、 あまり遅くなると老師に申し訳ないので、夕方、今日の運用を終了する旨のアナンスとお礼をして終了、、 心地よい疲れの中、帰途についた、、、
7K3GNL/BY1SK
中国北京市宣武区青少年科学技術館(BY1SK) からクラブメンバーとのQSO LOG:
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